突然ですが、これは一部の人にとってショックな事実かもしれませんが、
塾って魔法じゃないんです。
え?知ってた?
じゃあこれは?
塾講師って魔法使いじゃないんです。
……まだ余裕そうですね?
じゃあもう一歩踏み込みましょう。
俺たち、神じゃないからね?
いや、信じられないかもしれません。
なぜなら、実際にあるんですよ、こういうやりとりが。
――ある日、保護者面談で――
保護者「うちの子、全然家で勉強しないんですけど、先生のほうでどうにか……」
って、いやいやいやいやいや!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
できるかあぁぁぁ!!!!!!!!!
それ、医者に「先生、私ラーメンばっか食べて運動もしてないんですけど、健康にしてください」って言ってるのと同じですからね?
違うんです、ほんと違うんです。
俺たちはね、「すごい先生」って言われることもあるけど、
実際には、すごいのは生徒なんです。
そして、素晴らしいのは保護者の子育ての成果なんです。
それだけは絶対に忘れちゃいけない。
たとえば、みなさんが山登りをしているとするじゃないですか。
俺ら塾講師の仕事って、その山道にあるデカい石をちょっと横にずらしたり、
「おい、そっちの道、クマ出るぞ」って教えてあげるくらいなんですよ。
整地と警告。
以上。
登るのは君だし、歩幅を決めるのも君。
俺らが背中を押してくれるって?
……押さねぇよ!?
だって背中押したら、転ぶかもしれないでしょ?
まずいじゃん?前歯折れたら。
じゃあ、何のために塾に通うのか?
それは、
「塾を使い倒して利用する」ためです。
つまり、
「この塾、すげぇ」じゃなくて、
「この塾、すげぇ使いやすいわ」
この視点。これだけ。
たとえば、ナイフがあっても、それで料理するか、手を切るかは使い方次第でしょ?
塾も一緒。
「通わせときゃ成績上がる」なんて思ってると、痛い目見ます。
むしろ成績下がります。ええ、しっかりと。
だからお願い。
塾に期待すんな。
塾を利用せよ。
以上、魔法も使えず奇跡も起こせず、でも道は掃けるし、注意看板くらいは立てられる、
ただのヒトよりお届けしました。