俺的「AI革命元年」は2023年だ。
最初の衝撃は、ChatGPTで英作文の添削ができたときだった。
「え、これ先生じゃん」と思った。
それがすべての始まりだった。
その後、ChatGPTは毎日のように進化を続け、画像を作るAI、音楽を作るAI、スケジュールを組むAI、まるで“デキる部下”が次々と配属される感覚だった。
今の俺の感覚を一言で言うなら、
「月数千円でスーパー優秀な社員を雇ってる気分」だ。
ただな。
AIが登場したからといって、
人間の生活がラクになるとは俺は思っていない。
むしろ逆だ。
世の中が便利になればなるほど、
人間はもっと脳みそを酷使していく運命にある。
たとえば昔。
FAXもメールもなかった時代は、
「契約書を届ける」だけで一日が終わった。
脳みそを一切使わなくても、仕事が成立していた。
でも今は、メール一本、10分で送れる。
じゃあ残りの7時間50分、俺たちは何してる?
もっと頭を使う仕事をしてるんだよ。
人間の歴史ってのは、
「頭を使わなくていい作業」を削ぎ落として、
「頭を使わないとできない仕事」だけ残してきた歴史だ。
だから言っておく。
バカじゃAIは使えない。
AIが出てきて「これで楽できる!」って思ったやつ、
一番最初に置いていかれる。
AIをGoogle代わりにしか使えない人間と、
AIを「武器」にして使いこなす人間では、
10倍以上の差がつく時代になる。
AIが「人間の代わり」をするんじゃない。
“考えない人間”をふるい落とす装置なんだ。
俺としてはな、正直、
AIに「体を使う仕事」を先に奪ってほしい。
一番は掃除。
ルンバは床を掃除してくれるけど、
机の上もトイレも、やってくれない。
あいつ、手ぇ短いからな。
建設業なんて、慢性的に人手不足。
AIがそこに進出すれば社会は一気に変わる。
でも残念ながら、それが実現するのは一番最後だと思う。
話を戻そう。
AIが今活躍してるのは、
頭を使う領域だ。
つまり――
バカなままじゃAIを使いこなせない。
言葉を選ばずに言えば、
AIは“頭の悪い人間を増やす機械”でもある。
なぜなら、考えないまま「それっぽい答え」をくれるからだ。
たとえば、AIに「成功する方法を教えて」と聞く。
答えは出る。
でも、
「その答えが本当に正しいか?」を判断する知識がなければ、
AIの奴隷になる。
じゃあ、どうすればいいか。
“普遍的に通用する知識”を身につけろ。
AIは答えを出す。
でも、“問い”を立てるのは人間だ。
たとえば。
地図アプリは便利だ。
でも、「そもそもどこに行きたいのか」がわからなければ、
どんなに優秀なナビでも、ただの矢印だ。
AIも同じだ。
「自分が何を知りたいのか」
「どんな形で答えを使いたいのか」
それを考えられる人間だけが、AIを支配できる。
だから生徒諸君に伝えたい。
バカじゃAIは使えない。
でも、賢さってのはIQじゃない。
“考え続けること”だ。
知識を積み上げて、疑問を持って、試して、失敗して、また考える。
それを続けたやつだけが、AIを使って“世界を作る側”になれる。
AIに振り回されるな。
AIを“手下”にしろ。
俺はそう思ってる。




