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2025年8月2日 New! | すぎやまブログ

愛のギャンブル

「ご注文お決まりですか?」

その日、俺はココスでハンバーグを前に悩んでいた。

なぜって、最近の俺は“親の顔”をしているからだ。

……といっても、実の子じゃない。

俺の塾に通う中学生たちのことである。

彼らに「勉強しろ」と言うと、言われた瞬間から顔が曇る。まるでココスで「サラダバーはどうですか?」と聞かれた時のような顔である。

なぜ人は、「やれ」と言われると、こんなにもやる気を失うのか。


◆ すべての親御さんに問いたい、今まで「やれ」と言われて本気でやったことあるのか?

これまでの人生で「やれ」って言われて一生懸命にやったことあるか?

ないだろ。俺もない。

読書感想文、自由研究、卒業アルバムの寄せ書き。
「やれ」って言われてやったものに、情熱のかけらも宿っていなかった。

つまり——
恐怖や強制では、人は本気になれないのだ。


◆ 人は「納得する」か「好きになる」か、どちらかでしか頑張れない

思い返してみてほしい。

あの時、死ぬ気でやったことってなんだった?

ゲーム?
部活?
恋愛?

全部、「やりたい」か「やるべきだ」と自分で思ったことだけだろ?

そう、人は好きになるか、納得するかのどちらかじゃないと火がつかない。


◆ 子育ては「仕向ける」ことに全力を注げ

じゃあ、どうすんだって話だ。

答えはひとつ——

仕向ける。

「勉強しろ」じゃなくて、
「この問題、面白くね?」って言ってみる。

「塾行きなさい」じゃなくて、
「塾の先生、マリオカートめっちゃ強いらしいよ」って言ってみる。

ここで、「操ってるみたいで嫌だ」と思ったあなた。

その感覚、素晴らしい。

でも、あえて言わせてほしい。

子育ては操ることではない。仕向けることだ。


◆ それでも、思い通りにならないのが子育てである

……ってここまで語っておいてなんだが、

それでも、子は言うことを聞かない。

えぇ、言います。
「意味わかんねーし」とか言ってTikTokに逃げます。

仕向けようが、納得させようが、うんまいパスタを食わせようが、うまくいかないことがある。

だから、俺たちは肝に銘じなければいけない。

子育ては、報われないことが前提の“愛のギャンブル”なのだと。


でもね。

それでも「勉強って楽しいかも」って目が輝いた瞬間に、
「塾行ってくる!」って玄関を飛び出した背中に、
俺たちはすべてを報われた気持ちになる。

だから今日も俺は言う。

「勉強しろ」とは言わない。
ただ、「この世界、けっこう面白いぞ」と、背中で伝えようと思う。

それが、俺の「親」の顔である。