おいそこの中学生。
「中総体が忙しくて…」と口にしたその瞬間から、俺の脳内で自動再生される曲がある。
『言い訳は地獄行き』 by 俺
なぜなら、今、俺たちも――
忙殺されているからだ。
生徒たちはグラウンドで汗を流し、俺たちはエアコンの効いた面談部屋で汗を流している。
ああ、わかっている。
「どっちがしんどいか」はナンセンスな比較だ。
ただ言いたいのは――俺たちも、暇じゃねえ。
午前中は「夏期講習の準備」で頭を抱え、
午後は三者面談で「英語が…数学が…」と深刻な悩みに耳を傾け…
俺たちにとって、夏期講習というのは、
“夏の甲子園”である。
もちろん、野球をやるわけではない。
でも、「この夏で決まる」っていう意味では、まったく同じなのだ。
そして、その夏期講習が――
ついに――
あと1週間で――
爆誕。
おい、中学生よ。
「もうすぐ夏休みだ〜!」とか浮かれてんじゃねえ。
お前らの“戦場”は7月14日から開幕すんだよ。
「夏期講習ってどんな感じ?」なんて質問は、
ロックフェスの当日に「フェスって音楽流れるんですか?」と聞くようなもんだ。
もうチケット(申込)買った時点で、逃げられないの。
そう、人生において重要なことはすべて、逃げられない状況に自分をぶち込むことで始まる。
俺たち講師陣も、すでにその中にいる。
「もう後戻りできねえ」って顔をして、今日もプリントを作っている。
(しかも2回保存をミスって3回目作っている)
だから言わせてくれ。
お前たちも、覚悟を決めろ。
部活が終わった?じゃあ、ここからが本番だ。部活で味わった悔しさを勉強にぶつけろ。
まだ試合がある?じゃあ、二刀流で行け。お前は勉強会の大谷翔平。
夏は、人生を変える。
だがそのためには、自分を変える覚悟が必要だ。
あと7日。
今、腹を括れ。
俺たちはすでに、待ってるぞ。
“お前の本気”が、この教室にやって来るのを。