最近、COCHO COCHO(こちょこちょ)というYouTubeチャンネルにハマっている。
「教育系?」と聞かれたら、たぶん違う。
でも、俺にとってはものすごく“教育的”だ。
俺はこのヨトくんのファンになってしまった。
彼の話し方、間、表情、すべてが絶妙だ。
小学生らしい無邪気さがありながら、発する言葉はやけに落ち着いていて、
「この子、もう中身は30代だろ」と思わされる瞬間が何度もある。
で、俺は考えた。
なぜこの子たちは、こんなに堂々と自分の言葉で大人と話せるのか。
たぶんそれは、大人との会話の数だと思う。
学校では同世代とばかり話す。塾でも、先生とは話すけど、“授業の会話”が中心になる。
だけど、COCHOCOCHOに出てくる子たちは違う。
彼らは“話し相手としての大人”と対等にしゃべっている。
芸能人を前にしても、媚びないし、怖がらない。
思ったことを、自分の言葉で言う。
それができるのは、きっと日常的に
親以外の大人と会話しているからだと思う。
食事を一緒にしたり、仕事を間近で見たり、会話を交わしたり。
そういう「社会との接点」の中で、言葉の筋肉が育っていくんだ。
人間の“使える言葉”って、
結局はどんな大人と、どれだけ話してきたかで決まる。
言葉は辞書で覚えるものじゃない。
触れてきた人の数と質で、じわじわと滲み出てくるものなんだ。
だから最近、俺は思う。
「こども」と「おとな」を、あまり分けすぎないほうがいい。
こどもを“大人のいる場所”にもっと入れてやるべきだ、と。
居酒屋でも、職場でも、地域の集まりでもいい。
一緒に食べて、話して、笑って。
「この人たちみたいになりたい」と思える大人に出会うことが、
何よりの教育だと思う。
塾で教えられるのは、勉強の型。
でも、生き方の型は、大人たちの背中の中にある。
そしてそれを言葉に変える力は――
大人と話すことでしか、育たない。