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お知らせ・ブログ

2025年9月13日 New! | お知らせ すぎやまブログ

おっさんがラノベにハマった話

先に謝っておく。
この文章を書いている今、おっさん(=俺)は、両膝までラノベ沼に沈んでいる。ザブン。

もう片足どころか、全身で沈んでいる。

きっかけは、ある方が教えてくれたNetflixのドラマ『グラスハート』だ。
「とりあえず1話だけ」と再生したのに、気づいたら最終話のエンドロールで冷めた味噌汁をすすっていた。誰だ、1話だけって言ったやつ。紛れも無い、俺だ。

 

 


結論ね、俳優ってマジですごい。
なにがすごいって、彼ら、2年前から練習を始めてガチでライブしてるんですよ。え、ドラマで? ライブ? いや、ライブだった。カメラ回ってるのに音も魂も外してない。むしろ逆に、こっちの鼓膜が外れそうだった。

 

 


ここで一度、私の小さな自慢を挟ませてほしい。
私も2年前から柔術をやっている。道着の紐は秒で結べるし、帯の端っこをピロピロさせずに歩ける。

 

でも――余裕でドラマは撮れん。

 

「カット! じゃあ三角絞めで感情の揺れを表現してくださーい」
無理。そんな演出聞いたことない。

 

 


しかも彼ら、演技しながら演奏してるのよ。
人類の脳って、歩きスマホだけでも難易度Sなのに、演技×演奏で二刀流?

 

 

俺なんて「ビールを取りに冷蔵庫に行く」だけのシーンでも、目的地に着いたころには“なぜ来たか”を忘れて戻る名役者だよ。日常の迷子、主演・私。

 

 


極めつけは、主演が佐藤健さん。しかも主演兼プロデューサー。
聞けば、7年前から映像化したいと考え、3年前から準備していたという。いや、執念の火力どうなってるの。結果数百人、数千人を集めてドラマを作成しているから。

そして、その執念の結晶がたった10話で完結する。
ここで俺はテレビの前で正座した。凝縮の暴力。雑味ゼロ。スープだけ飲ませてくるラーメン屋みたいな潔さ。

普通なら「好評につき続編決定!」って、薄めて薄めて10話×シーズン5くらいまで引き伸ばすじゃないですか。

俺ならやる。絞れるだけ搾り取る。ミルクティーの“ミルク感”が完全になくなるまで絞る。視聴者さん、ごめん。

 

 


でも『グラスハート』はギュッだ。
「ここから先は、あなたの心で続きが鳴るはず」とでも言いたげに、10話でドアを静かに閉める。バタン! じゃない。ス……だ。視聴者の胸にだけ余韻の爆音を残して。

で、私、おっさん。
この10話を浴びながら気づいた。自分の時間の粒度が、めっちゃ粗いってことに。
日単位で慌て、週単位で焦り、月末で反省会を開き、翌月の2週目で月末の反省を忘れる。

そういう人生を、年輪の縞々だけ増やしながら続けてきた。

 

 


それに比べて、彼らは年単位で一点を磨き、秒単位で心を撃ち抜く準備をしていた。
2年前から練習、7年越しの企画、3年の仕込み、10話の凝縮。
この“時間の使い方の美学”が、スクリーン越しに首根っこを掴んでくる。
「お前も、5年単位、10年単位でやってみろよ」と。

本気で思った。
“濃い10話”は、“長い準備”からしか生まれない。
一夜漬けの名場面も、スキマ時間の天才も、いるにはいる。だけど、多くの凡人(私含む)は、長くやるから深くなるし、深くしたから短くできる。

 

 


だからこそ俺は、塾生や保護者の方に伝えたい。

「一夜で未来は決まらない。準備がこそ未来を決める」

ここから1年、5年、10年かけて磨いた先に、凝縮された勝負が待っている。
それは中高生にとっては「入試」であり、俺にとっては「塾の仕事」だ。

――もし我が子がテスト勉強で心折れそうになったら、ぜひ思い出してください。
『グラスハート』は、ラノベから始まり、7年越しにドラマになった。

一夜漬けでは生まれない光景が、あそこにあった。

だから俺たち大人も、子どもも、5年単位・10年単位で仕込む生き方を選んでいこう。

ドラマを見るおっさんは、自分の人生や生徒の人生をプロデュースするおっさんでもありたい。