まず言っておきたい。
この合宿、スマホ禁止。
中学生にとってこれは「水のないプール」くらいの衝撃である。
なのに、だ。
解散の瞬間、みんなの顔は運動の疲れと脳みその疲れでクシャクシャになっていたけど、
その笑顔は「やりきった奴の顔」だった。
1日目、友情のエンジン始動
開会式が終わった瞬間、太宰府散策、運動会だのBBQだの推理ゲームだの、次から次にイベントがやってくる。
もともと他塾の人とは「なんか壁あるな…」って感じだったのに、
1時間後には「お前さっき橋作りの時、絶対サボってただろ!」とか言い合ってる。(しかも笑いながら)
「初めて話した人と一泊二日でこんなに仲良くなるなんて驚きました」
――そんな声があちこちから聞こえてくる。
たぶん驚いてないのは先生たちだけだ。
だって、あの人たち、本気で仕組んでるから。
夜は友情が化ける時間
部屋でのUNO、恋バナ、そして「こだわりの一品勢」による男子部屋突撃。
※普通の合宿なら部屋移動は怒られるやつだけど、この合宿では「青春」と呼ばれる。
大運動会で勝った時よりも、推理ゲームをクリアした時よりも、
夜中に同じ部屋で笑っていた時間が一番記憶に残っているという生徒、多数。
友情の化学反応は、消灯時間間際に加速する。
2日目、団結のフルスロットル
最終日の競技は4人5脚、VS先生対決、そして表彰式。
1位を取ったチームはもちろん喜んでたけど、
2位だったチームも負けた瞬間に「でもこれ最高だったな!」と笑っていた。
Mさん(すぎやまこだわりの一品)の言葉が刺さる。
すべての活動において、全力で楽しんでどんな結果でも喜ぶことが大切だと感じました。
勝っても負けても喜べる人間は、受験でも勝つ。
これはもう、歴史が証明している。
先生と生徒たちの狂気と愛情
峰松先生はメイド服で登場。
カイ先生は夜道で生徒を照らし続けるナイト役。
「この大人たち、全員どこか壊れてる」と思うかもしれないけど、
その壊れ方は生徒のために全力で走った結果だ。
最後に
受験は団体戦だ。
教室で顔を合わせている時だけが仲間じゃない。
同じチームで走って、笑って、負けて、勝って、ちょびっと夜更かしして、
その全部が背中を押してくれる。
この夏、君たちはスマホを置いて、友情を拾った。
その友情は、この先の受験で必ず武器になる。
だから――
この夏の笑顔を思い出して、最後までやってやれ。
【合宿レポート】
7:00 開会宣言
朝7時。
普通の中高生なら「まだ夢の中で数学のテストに追われてる時間」だが、この日ばかりは目がギラついていた。
なぜなら大会委員長・世利先生の開会宣言が、朝から完全にエンジン全開だったからだ。
しかもこの後、いきなりチーム発表。
初対面の仲間と「これから二日間よろしくな」と笑い合う空気の中、静かに始まった心理戦――「このチーム、勝てるか…?」。
7:30 Mission Impossible!
白坂・宮城・高嶋トリオによる最初の試練。
頭脳と勇気を使わないと解けない謎に挑むのだが、開始5分で「俺、勇気の方は足りてるけど脳が足りん」という者多数。
この時間でチームワークの土台ができたというより、すでに「恥は捨てる」という共通認識ができた。
7:45 太宰府天満宮〜竈門神社
移動しながら学問の神様に必勝祈願。
ただし真剣に志望校合格を祈る人と、「彼氏できますように」と祈る人が混在するあたり、十代の多様性を感じる。
竈門神社では自然の空気を吸いながら「もうこれ帰ってもいいくらい満足した」という声も。
いや、まだ午前中。
10:30〜12:00 バス移動 & 結果発表
移動のバスは、チームビルディングする者と爆睡する者で二極化。
そして第一部の結果発表――早くもポイント差が出てきて「次は絶対勝つぞ!」と燃えるチームと、「もう肉食わせろ!」と訴えるチームが出現。
13:15 闘魂バトルフェス!(体育館)
墨先生の仕掛けた競技は、脳と体を同時に酷使する鬼畜仕様。
計算してダッシュ、間違えたらペナルティでジャンプ。
終盤には「体育館の床が溶けるんじゃないか」というほどの汗が流れた。
16:00 アタマの大運動会!
高嶋・幸地・峰松・小宮チームの担当。
全員の働きがシンクロしないとクリアできない課題が続く。
開始直後から「お前、その情報はもういらん!」という怒号と笑いが飛び交い、終わる頃には肩を組む仲間が増えていた。
19:15 BBQ
夕暮れとともに、BBQの時間。
「うまい!」の後に聞こえたのは「その玉ねぎ焦げてない?」。
焦げた玉ねぎを押し付け合うのは友情の証だと、誰かが言った。
…たぶん、違う。
22:00 VS先生!!
夜のコテージ。
先生たちが本気で仕掛ける頭脳&心理戦。
峰松先生の変装、小宮先生の奇声、そこにはいない井口先生の罠。
生徒たちは眠気も忘れて挑み、日付が変わる頃には完全燃焼。
2日目 7:30 朝食
「限界までエネルギーを蓄えろ」と言われ、本当に限界まで食べる者多数。
おかわり3回目で「昼まで持つ」というより「昼寝したい」状態に。
9:00 炎の大運動会!
伊藤・永井コンビの演出によるクライマックス。
リレー、4人5脚、綱引き…勝負が決まるたびに歓声と悲鳴が体育館を揺らす。
4人5脚で転んだ瞬間「痛いけど楽しい!」と叫んだ女子が、この合宿の精神を代弁していた。
14:15 解散式
結果発表で勝ったチームはもちろん歓喜、負けたチームもなぜか笑顔。
それは、この二日間で手に入れたのが「勝利」よりも「仲間」だったから。
「スマホはなくても、友情は作れる」
そして、それは全員がうなずける真実だったと俺は思う。