「RPGヲヤッタコトハアルカ?」
と、唐突にカタカナで聞いてみたくなる夜がある。
いや、あるだろ。あるって言え。
ゲームの世界では、敵を倒すと「経験値」がもらえる。
この経験値が一定数に達すると「レベルアップ」して、
HPが増えたり、魔法が使えるようになったり、
いきなりモンスターに対して強気になったりする。
あれ、マジで人間の真理だと思うんだよ。
現実世界でも、勉強・スポーツ・筋トレ・ダイエット、
なんでもかんでもこの「経験値システム」で動いてる。
でもな、ここからが問題なんだよ。
現実の経験値ってのは、数値で見えない。
だから「今、自分って経験値溜まってんの?」って不安になる。
英単語を100個覚えても、いざテストで40点とか取っちゃって、
「意味ねーじゃん」って腐る。
部活で毎日走り込みしてんのに、スタメン落ちして、
「才能ないっす」ってスマホいじり出す。
でもそれ、全部コップに水溜めてる期間なんだよ。
努力ってのは、目に見えない経験値を、コップにチビチビ注ぐ作業なんだ。
そして、ある日ふいに、
「ピローン♪」って音とともにコップから水が溢れ出す。
それが、“レベルアップ”の瞬間なんだよ。
でも、悲しいかな――
多くの人間は、その直前にこう言って、
「もう無理です」ってコップごと捨てる。
そのコップ、あと一滴だったかもしれないのに。
成功するのは、諦めずに注ぎ続けたヤツ。
もっと成功するのは、効率よく注ぐ方法を探したヤツ。
「英単語覚えるなら音読が効率いいらしい」
「筋トレは部位分けした方がいいらしい」
「失敗ノートをつけると復習効率が爆上がりするらしい」
――そんな工夫こそが、MP(努力の魔力)を節約してくれるんだ。
いいか?
今、結果が出てなくても、
お前のコップには、確実に水が溜まっている。
あとはやめずに注ぎ続けるだけだ。
「なんで俺だけ……」って言いそうになったら、
頭の中で再生してくれ、この言葉を。
「RPGヲヤッタコトハアルカ?」
そして、
「いま俺、スライム倒してんだよ」って。
レベルアップするその日まで経験値を貯め続けるんだよ。