僕は実は桜にめちゃくちゃ憧れてるんです。
桜は、動かない。
桜って、自分からどこかへ行くわけじゃない。
派手なダンスもしなければ、音楽も鳴らさない。
ただ、そこに在るだけ。
でも、春になると不思議なことが起きます。
誰かがカメラを向け、
誰かが足を止め、
誰かが弁当と友達を持って集まってくる。
そう、動かないのに、集まってくる。
それって、なんかすごくないですか?
でも、花はずっと咲いてない。
桜は、1年のうち350日くらいは地味です。
葉っぱの緑の中で、汗だくで夏をやり過ごし、
秋には葉が落ちて裸になり、
冬には寒さに耐えながら、誰にも見られず、
たぶん、ちょっと寂しい思いもしてると思うんです。
でも桜は言わない。
「なんで見てくれないの!」とか、
「がんばってるのに評価されない!」とか。
ただ、黙って根を張ってる。
次に咲くために、粛々と準備してる。
この姿に、僕はもう、胸がキュンってなるんですよ。
一本桜で、いいんだ。
正直に言うと、僕は派手な才能もないし、要領もよくない。
「マルチタスク?なにそれ、スシローの新メニュー?」みたいなレベルです。
でも、「これだ」と思った一本を、大切に育てたい。
何十年かけてもいい。
根を深く、幹を太くして、
いつか誰かがふと足を止めてくれるような、
そんな一本桜になれたら、それでいい。
最後に。
今の自分が“地味だな”って思う人。誰にも見られてない気がする人。
でも、やることやってるなら、それで十分です。
花が咲くタイミングは、自分じゃ決められない。
でも、咲いたときに、「これが俺の桜だ」って言えるように、今は根っこを張っておきましょう。
ということで、
僕は僕の“人生の一本桜”、今日もこっそり育ててます。
花見のときは、来てね。唐揚げとビール持って。