昨夜、僕はご機嫌でした。
なぜなら、今日はかわいい生徒たちがテスト勉強を全うし、スッキリした顔で家に帰っていくのを見送った後だったからです。
今日もやりきった僕もまたエラいぞと自分で自分を労いながら、高校部の鍵を取り出し、キィ、と静かに差し込み、ドアノブに手をかけました。
その瞬間です。
フワッ。
左腕に、何かが軽く触れたのです。
場所は、時計をしている少し上。
「ん?」
と思ったその2秒後――
黒い影が僕の目の前を舞い始めました。
そう。
G(ゴキブリ)です。
大事なのでもう一度言います。
Gは、塾の“外”です。
NiCO塾の内部は清潔です。
中にはいません。
断じて、いません。
いないんだってば。
さて、その黒い舞踏家はというと、入口の外壁に着地しました。
完全に“塾に入りたそうな顔”をしていたので、僕は優しく言いました。
「キミはまだ、受験勉強の準備ができていない」
そして、彼(もしくは彼女)が入ってこようとする前に――
彼には、成仏していただきました。
で、ここからが本題です。
今日あなたに伝えたいのは、「フワッとした違和感は、ちゃんと向き合え」という話です。
勉強にもありますよね。
「なんとなくわかった気がする」
「まあ、いいか」で流したところ。
それ、あとで舞います。目の前で。
“フワッ”は、神様がくれたヒントです。
「あんた、これ本当はわかってないよ」っていうサイン。
それを見て見ぬふりすると、テスト本番で、Gのように飛び出してきます。
不意打ちです。舞います。あなたの心の内壁にベチャッと張りつきます。そしてテンパります。こんなことってあり得るの?!
だからこそ、こう言いたい。
勉強における「ちょっと気になるところ」は、
ゴキブリと同じくらい早く処理しよう。
今、不安に感じたことを放置するな。
“フワッ”は、後々“ドーン”になる。
それでは今日も、フワッとした疑問にしっかり立ち向かいましょう。
そしてどうか、塾のドアを開けるときは安心してください。
中にいるのは、ゴキブリではなく――
あなたを全力で応援してくれる先生たちです。